ウィラポン…

とうとう一つの時代が終わってしまいました。98年の暮れに辰吉からタイトルを奪ってから6年間WBC世界バンタム級王者の座に君臨し続けたウィラポン・ナコンルアンプロモーションが15度目の防衛戦でついに敗れてしまいました。
いつもより小さく感じるその姿を見て嫌な予感がしました。試合が始まれば、明らかに体は重く、高速ジャブやノーモーションの右は見る影もなく遅い。威力もない。おまけにパンチに対する反応も鈍い。1ラウンドから長谷川のいいパンチを食った時にもう覚悟しました。序盤から明らかに敗戦ムードが漂い、このままワンサイドで終わると誰もが思う中でも中盤巻き返したのは見事でした。王者の誇りを見ました。しかしながらダメージの蓄積から11,12ラウンド、KO寸前まで追い込まれてしまい、それでも耐える姿は感動的でした。
時代は終わってしまいましたが、伝説をありがとうウィラポン。ありがとうと言いつつも、もし今回の調整ミスが年齢的な衰えから来たのでないならばカムバックして欲しいものです。願わくばもう一度。


今日長谷川選手が世界タイトルを獲れたのは、長谷川選手が素晴らしいパフォーマンスを見せたからだと思うし、ここまで血の滲むような努力があったからこそだと思いますが、それと同じぐらいに運も物凄く重要な要素なんだなと今回改めて思い知らされました。西岡はウィラポンと4回やってタイトルを獲れなかったのに…。そのうち一度でも今日ぐらいの体調に日があったらと思うとやっぱり巡り合わせなんですね。
これから長谷川選手にはウィラポンからタイトルを奪った男として恥ずかしくない試合をしていってもらいたいです。生きる伝説から奪ったベルトを初防衛であっさり持っていかれるのは勘弁です。日本人選手の傾向としてタイトルを獲ることだけに目が行きがちなところがありますから。王者になってからもモチベーションを保ち続けて欲しいものです。